奥歯のインプラント治療の難易度や手術時のリスクなどについてまとめました。
奥歯を失ってしまった時、インプラント治療を受けることは噛み心地を取り戻したり、他の歯への負担を軽減させたりするためにも有効な選択です。
「奥歯」と一口にいっても「上顎の奥歯」「下顎の奥歯」「第1大臼歯」「第2大臼歯」など、治療する場所によって難易度には差があります。
奥歯の部位別の治療について見ていきましょう。
参照元:東京・丸の内デンタルオフィス「東京インプラント治療スタイル|奥歯のインプラント治療」(http://dentalimplant.jpn.com/category/1984487.html )
同じ奥歯でも、下顎より上顎の方が難易度が高いとされています。
上顎は歯がしっかりある場合でも、顎の骨が薄いためです。
参照元:筒井歯科インプラント専門サイト(https://www.japan-implant.info/about-implant/okuba)
人間の歯は、上下左右で4つに分けられ、1区画につき生えているのは7本です。
奥歯の正式名称は臼歯(きゅうし)と呼ばれ、歯科医が奥歯とみなしているのは「一番奥の歯から4本目まで」となっています。
その臼歯の奥側の2本は「大臼歯」、中心寄りの2本は「小臼歯」です。
ちなみに親知らずは含まれていません。親知らずがある場合は「大臼歯」に1本プラスされます。
参照元:高田歯科クリニック「奥歯をインプラントにするデメリットとは?メリットも併せて解説します」(https://www.takada418.jp/column/molars)
奥歯のインプラントは、
嚙み合わせが重要です。
奥歯は食事を楽しむうえで重要な歯ですので、天然の歯に近い噛み心地が得られるインプラント治療を強くおすすめしたい部位です。
虫歯や歯周病になりやすい部位でもあります。
重度の歯周病で顎の骨が少なくなっている場合は、通常のインプラント治療に加えて、骨を増やす手術が必要になる場合もあるでしょう。
郡山ファースト歯科矯正歯科では、骨を増やす「骨造成」や、やせた歯茎を補完する「歯肉移動」「歯肉移植」といった手術が可能なため、難しい症状の方のインプラント治療にも対応できます。
他院で断られた方の治療が可能な場合もありますので、ご相談ください。
監修:郡山ファースト歯科矯正歯科 伊波良将院長(歯科医師)
連絡先:024-955-6869
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上顎の骨はもともと薄い上、歯を失うとさらに薄くなっていきます。
骨密度も低下するため、インプラントを埋めたくても、骨の厚みや量が足りなくて骨の結合が十分できないことも。
その場合は骨移植を行ってからインプラント治療を行うという方法がありますが、治療期間も長く、患者にとっては負担が大きいものとなるでしょう。
下顎の臼歯部の骨の中には、下顎の歯や唇・頬粘膜の感覚を伝える働きをする大切な神経が通っています。
手術中にその神経を傷つけられると、歯や歯肉、下唇の感覚が鈍くなったり唇しびれたり、などといった後遺症を発症してしまうことがあります。
参照元:中平歯科医院「奥歯を失った後の治療」(https://www.nakahirashika.com/implant_okuba)
参照元:筒井歯科 インプラント専門サイト(https://www.japan-implant.info/about-implant/okuba#07)
手術後の中でも特に怖いのがインプラント周囲炎です。
インプラント周辺の組織が歯周病に感染してしまうことで、初期では粘膜が腫れたり出血したりというような状態になります。
通常の歯周病より進行が早いのが特徴。進行してしまうとインプラントと粘膜の隙間が深くなる、粘膜から膿が出る、といった症状を引き起こし、インプラントが抜け落ちてしまうこともあります。
インプラント周囲炎を引き起こす主な原因としては、通常の歯周病と同じく歯垢や歯石ですが、歯ぎしりなどの奥歯の強い力も含まれます。
自然歯にはクッションの役割を持つ「歯根膜」がありますが、インプラントにはありません。
そのため噛む力がダイレクトに顎の骨に伝わります。噛み合わせにも異常が起こり、歯ぐきが下がり、歯周病のリスクが高まってしまいます。
参照元:中平歯科医院「奥歯を失った後の治療」(https://www.nakahirashika.com/implant_okuba)
参照元:筒井歯科 インプラント専門サイト(https://www.japan-implant.info/about-implant/okuba#07)
奥歯のインプラントならではのメリット・デメリットをまとめました
噛み合わせは奥歯の高さで決まると言われるほど、奥歯は噛み合わせにおいて重要な役割を果たしています。
奥歯がなければ噛む力のバランスが崩れ、顔の輪郭が歪んだり、肩こりや頭痛の原因になったりなど、日常生活に不都合が生じることもあります。
インプラントを入れることで、天然歯と同等かそれ以上に噛み合わせを整えることが可能です。
奥歯が1本でもないと、その部分から息が漏れて出ていきます。そうすると発音が悪くなり、特に「ら」行や「い」の段の発音に問題が生じやすくなります。
インプラントにすることで、自然歯と同じように発音できるようになります。
インプラント治療は基本的に自費診療です。
インプラント治療にかかる費用は、一般的に1本あたり40~50万円と言われていますが、奥歯に関しても同様です。
さらに本数が増えるほど治療費も高額になります。
ローンが組める歯科医院もありますが、費用の負担が大きくなります。
インプラントを埋め込むには顎の骨の厚みや深さ、骨密度が必要です。
不足している場合は、インプラント治療の前に顎の骨を増やす治療を行わなければなりません。
奥歯は前歯より力のかかりやすい部分のため、顎の骨を増やさなければ、最悪インプラント治療は受けられない可能性も。
追加の治療が必要な場合は、費用や期間がかさむこともあります。
参照元:高田歯科クリニック「奥歯をインプラントにするデメリットとは?メリットも併せて解説します」(https://www.takada418.jp/column/molars)
参照元:「奥歯のインプラント治療は要注意!気になる費用も解説」(https://nasudental.jp/column/back-teeth-implant.php)
当サイト監修
「郡山ファースト歯科矯正歯科」による
症例別インプラント治療法解説を見る
インプラントと差し歯の違いは「歯の根があるかないか」です。
インプラントは「人工歯」のみで、差し歯は「天然歯プラス人工歯」ということになります。
つまり、インプラントは歯の根が使えない時に行われる治療で、差し歯は歯の根が使える時に行われる治療となります。
インプラントは自費診療ですが、差し歯は保険適用と自費診療、どちらかを選択できます。
「費用を抑えたい」という人は、保険適用の差し歯を選択することになるでしょう。
見た目の美しさや、より天然の歯に近い機能を手に入れたい人には、インプラントがおすすめです。
ブリッジは失った歯の両隣にある健康な歯を利用して固定するものです。
土台となる健康な歯をけずらなくてはならないため、細菌に侵されやすくなるというリスクがあります。
一方、インプラントは顎の骨にインプラント体を埋め込み、上から人工歯を被せて固定するため、健康な歯に負担をかけずに新たな歯を入れられます。
インプラントの治療期間は3ヶ月~1年程度と言われています。
入念な診察や検査はもちろん、外科手術を伴うことや、場合によっては骨が育つのを待つ期間が含まれることなどが理由です。
一方、ブリッジは2週間~1ヶ月程度のため、インプラントよりも短い期間で治療を終えることができます。
参照元:高田歯科クリニック「奥歯をインプラントにするデメリットとは?メリットも併せて解説します」(https://www.takada418.jp/column/molars)