オッセオインテグレーションとは、インプラント治療によってあごに埋め込まれたインプラント体(チタン)と、患者のあごの骨が直接結合を起こすことを意味しています。
かつてチタンと人体の親和性が発見されるまで、インプラント体には様々な金属素材が使用されていましたが、人工物に対する拒絶反応によってインプラント体とあごの骨の接合が十分に行われず、強度が安定しないというケースが少なくありませんでした。
しかし1952年にスウェーデン人のペル・イングヴァール・ブローネマルク博士がチタンと人体の親和性を発見し、その反応をラテン語の「骨の(osseo)」と「結合(integration)」を組み合わせて「オッセオインテグレーション」と名付けました。
以降、インプラント治療ではオッセオインテグレーションを前提としてチタンを使ったインプラント体が普及しています。
オッセオインテグレーションは顕微鏡レベルでチタンとあごの骨が直接結合している状態であり、チタン表面に骨の成分が少しずつ入って結合していくという流れです。
通常、オッセオインテグレーションはインプラント体を埋め込んでから3~4週で始まり、およそ3ヶ月が経過する頃に骨との接触率が最大化するとされています。
オッセオインテグレーションが成功している場合、インプラントの安定に加えて、チタンのインプラント体にあごの骨がしっかりと接合していることが顕微鏡レベルで確認できるでしょう。
オッセオインテグレーションが適切に成功して安定するまでの数ヶ月間は、インプラントに対して物理的な力がかからないよう注意しなければなりません。オッセオインテグレーションは時間経過で徐々に進む反応であり、その途中に強い力などが加われば接合が外れてしまいます。
その他、細菌感染や持病、オーラルケアの不徹底など様々な原因で上手くいかないことも考えられるでしょう。