インプラントの色選びは、自然な見た目と機能性を兼ね備えるために欠かせない要素です。適切な色を選ぶことで、違和感のない美しい仕上がりになります。
人工歯の色を決める工程は「シェードテイキング」と呼ばれ、「シェードガイド」という色見本を使って最適な色を選びます。一般的に約16種類の色味があり、患者の歯の色や希望に合わせて選択します。
極端に白い色を選ぶと、不自然な印象を与えることがあるため、明るすぎないトーンが適しています。
照明条件によって色の見え方が変わるため、自然光と人工光の両方で確認するのが理想的です。可能なら、窓際などの自然光の下でチェックしましょう。
インプラントの素材によっても、色の見え方が異なります。特にオールセラミックの人工歯は審美性に優れ、ジルコニア製のアバットメントと組み合わせることで、より天然歯に近い色合いを再現できます。
患者の年齢に応じて、適切な色調を選ぶことも大切です。若い人には明るめのトーンが自然に見えますが、高齢者の場合は少し落ち着いた色味の方が調和しやすい傾向があります。
天然歯は微妙に異なる色味を持っているため、複数のインプラントを施す際は、すべてを同じ色にせず、わずかに変化をつけるとより自然に見えます。
ホワイトニングを予定している場合は、インプラントの色を決める前に済ませておくのが理想的です。治療後にホワイトニングを行うと、インプラントだけが色の変化に対応できず、不自然に見えることがあります。
タバコによる着色を考慮し、やや暗めの色調を選ぶことがあります。ただし、口腔衛生の観点から禁煙を推奨するのも重要です。
コーヒーや赤ワインなどの着色しやすい飲み物を頻繁に摂取する人には、それらの影響を考えた色選びをするほか、適切な口腔ケアのアドバイスを行うとよいでしょう。
インプラントの色選びは、審美性だけでなく、患者のライフスタイルや年齢も考慮しながら慎重に行うことが大切です。歯科医師と十分に相談しながら、最適な色を選び、自然な笑顔を実現しましょう。